「いたっ...。」

咄嗟に胸を押さえた。

最近はずっとこうなんだ...。

胸から指のずっと端まで、血が流れていく感覚がたまらない。

「うっ...、
うぅ...。」

でも、

私は、今も生きているんだ。

実感が湧く。

いいことかもしれない、

辛くて苦しいことも、

いいことかもしれない。

そうだ。

乗り越えられる。

それが無理だったら、また、壊れてしまえばいい。

また、駅から身を投げ出したときのような凛とした気持ちになってきた。

そう、あれは今思えば。

楽になろうとしたから、

それだけじゃない、

辛いからじゃないんだ。

ただ、そうしてみたくなったから。

煮え切って熱くなったヤカンが本当に熱いのかどうか。

確かめようとしただけ。

それで、私は本当に熱いんだと確かめて、

また、ここに戻ってきた。

また、忘れたら確かめればいい。

それで二度とここに戻って来れなかったら。

永遠に苦しいなら、

意識すら、

その全てすら、

自分で断つことができるのだから。