それでも熱心に誘ってくるノンちゃん。


「でも……」


「行ってみたら絶対楽しいから! 椎奈ったら、お兄ちゃんのこと気にしてなんでも我慢するなんてもったいないよ! 運命の出会いはどこに転がってるかわからないんだよ?」


そう言われると、確かにそうだなぁと思う。


今までずっと、お兄ちゃんを心配させたくなくて、色々我慢してきたところはあるし……。


試しに一回くらい、合コンに参加してみてもいいよね?


どんな感じなのか体験してみたいし。


たまには知らない男の子と話したりもしてみたい。


「……わ、わかった。じゃあ、今回だけ」


勇気を出して、首を縦に振ってみる。


すると、それを聞いたノンちゃんはその場で思いきりガッツポーズをした。


「やったー!! そうこなくっちゃ! 可愛い子来るって伝えとくねっ!」


言っちゃった。


人生はじめての合コン、参加することになっちゃった。


なんだかちょっといけないことをするような後ろめたさもあったけれど、どこかでワクワクしている自分がいた。


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