「千景には彼女がいるんだから、彼女の心配だけしてればいいのよ」
「彼女の心配もちゃんとしてるって。でもほら、椎奈は子供の頃から俺が守ってきたから」
「千景の場合、守ってきたというよりは、過干渉よね」
お母さんの言葉が的確過ぎて、クスッと笑ってしまう。
「なんだとー?」
「だってそうじゃない。これから椎奈には、ちゃんと守ってくれる素敵な彼氏が現れるかもしれないんだから、その人にお任せすればいいのよ」
「はぁ? そんなの俺が許すわけねぇだろ」
そう言ってさらに強く抱きしめてくるお兄ちゃん。
「きゃっ! もうお兄ちゃん、苦しいよっ」
「椎奈は彼氏なんか作らないもんな。ずっとお兄ちゃんが守ってやるからな~」
このセリフ、今まで何回聞いただろう。
子供の頃は嬉しかったけど、今はちょっと複雑な気分だ。
お母さんもそうだし、お兄ちゃんの彼女さんもちょっと呆れてるし。
いつになったらこのお兄ちゃんの過保護っぷりがマシになるのかなぁ。
それともずっとこんな感じなのかな……。
合コンがバレなかったことにはホッとしたものの、この調子じゃ当分彼氏なんてつくれそうにないなと思ってしまった。
.
*
.
「彼女の心配もちゃんとしてるって。でもほら、椎奈は子供の頃から俺が守ってきたから」
「千景の場合、守ってきたというよりは、過干渉よね」
お母さんの言葉が的確過ぎて、クスッと笑ってしまう。
「なんだとー?」
「だってそうじゃない。これから椎奈には、ちゃんと守ってくれる素敵な彼氏が現れるかもしれないんだから、その人にお任せすればいいのよ」
「はぁ? そんなの俺が許すわけねぇだろ」
そう言ってさらに強く抱きしめてくるお兄ちゃん。
「きゃっ! もうお兄ちゃん、苦しいよっ」
「椎奈は彼氏なんか作らないもんな。ずっとお兄ちゃんが守ってやるからな~」
このセリフ、今まで何回聞いただろう。
子供の頃は嬉しかったけど、今はちょっと複雑な気分だ。
お母さんもそうだし、お兄ちゃんの彼女さんもちょっと呆れてるし。
いつになったらこのお兄ちゃんの過保護っぷりがマシになるのかなぁ。
それともずっとこんな感じなのかな……。
合コンがバレなかったことにはホッとしたものの、この調子じゃ当分彼氏なんてつくれそうにないなと思ってしまった。
.
*
.