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その日の夜。
夕食を終えて、食堂から戻ると。
階段の下に蘭が立っていた。
…まだ、怒っている。
「おいっ」
腕を組んだ蘭がこっちに向かって大声を出す。
「どうして、知らない奴を屋敷に入れた?」
「知らない人じゃないからです」
はっきりと答えると。
蘭は、ため息をついた。
「おまえ…、当面。屋敷から出るな」
「は?」
「庭にも行くな。外に出るな。この屋敷ですごせ。渚やクリスに会うな」
「え・・・?」
蘭の言っていることがわからなかった。
ただでさえ、この敷地内から出られないというのに。
外に出るな・・・って。
「これは命令だ。約束破ったら、今度は渚とクリスを牢屋に入れるからな!」
吐き捨てるように言うと。
蘭は階段を上って部屋に戻ってしまった。

…何がしたいんだろう。
手を拳にする。
もう、我慢が出来ない。
そろそろ、限界だ。
「こんな生活、もうヤだ・・・」