目がパンパンに腫れてしまっている。
こんな状態で食堂へ行くのは無理だったから朝食はパスをする。

問題はライト先生だ。
こんな状態で会うのか…。
「おや、今日は男性スタイルなのかい?」
「ええ。最近は調子よくてずっと女性だったんですけど」
扉越しにサクラさんに似た男性とライト先生の声がする。

トントンっと。扉がノックされて。
「おはよう」
とライト先生が入ってくる。
スーツ姿のライト先生はまぶしい。いつだって、まぶしい。

「おはようございます」
小さな声で答えると。
先生はいつものようにカバンから筆記用具と教科書を取り出す。
「サクラさんが、男性スタイルなのにビックリしただろ?」
「へ?」
先生と目が合った。
何か言われるのかと思ったけど。
先生はニッコリと笑った。
「じゃあ、授業を始めようか」
先生は帰るまで、私に対して何も言わなかった。