ちょっと悔しい気持ちはあるけど、わたしはあることを思い出して海翔くんに声をかけた。

まだドキドキしてるけど、悟られないようにふつうに声をかける。



「今日課題やるんだよ!やろう!」
「芙結が照れてるの隠そうとしてるー」



バレてるし、こういうとき鋭いのは都合が悪いのだけれど、これ以上負けた気持ちになるのは嫌だからいつも通り接しようと思って真顔を作る。



「してないから!課題やるためにわたしの家に来たんでしょ?やろうよ」
「えー、めんどくさい、芙結ちゃんの家に来るための口実だったのに」




さっきの男の人の姿ははもうどこかにいってしまって、また赤ちゃんに戻るとわたしの心臓も落ち着きを取り戻す。