ぜんぜん足りない。



「やっ、ここ学校だよ。ヘンなことしないでっ」

「うん。で、どーすんの、泊まるの? おれとは、やりたくないんでしょ」



そう言いながら手を離さない。
スカートで隠れてる部分に触れられるのは不思議な感覚がする。

そわそわ、から、次第にぞわぞわ、になるんだ。
膝よりも少し上の部分を力なく撫でられてるだけなのに……。



「っ、こおり君とは……したくない」

「………」

「……けど、泊めてほしい……」

「………」

「おねがい」


だめ、かな……?

がんばって目を合わせた。

可愛い上目づかいの仕方がわからないから、顔ごとこおり君を見あげるかたちで。



「いいけど、なんでいきなり」

「……、一緒にいたいから……」

「そう」


彼女が一緒にいたいって言ってるのに、「そう」の一言で済ませるのがこの人だ。

そして。


「もう用事済んだね。じゃーまた、あとで」


せっかくふたりきりなのに、そそくさと退散しようとするのも、郡光里くん……。