ぜんぜん足りない。


「あいつ、放課後の付き合い悪すぎん? いつも寝不足だとか熱あるとか疲れたとかテキトーな言い訳ばっかよ?」


「言い訳を信じてもらおうって(はな)から思ってないあたり、ヒカリくんらしいよねぇ。省エネでいいじゃん」


「んで、今日の言い訳はなんだったと思う?」

「え〜なになに」


「 “ 彼女が家で待ってるから ” だってよ」


直後、みっちーの笑い声が響いた。


わたしの心臓は……軽率に、バクハツしかけた。



「わかる。ヒカリくんそーいうのたまにあるある! 冗談なのか本気なのか、イマイチわかんないんだよねぇ」


みっちーが呑気な声で受け答えをしている中、わたしは我慢できずに立ち上がってしまった。



「ん、桃音ちゃんどしたの?」

「っ、ごめんなさい。先に帰るね、お金は置いておくので!」