ぜんぜん足りない。



リアルに何度か殺されかけた。

よく生きてたなと、今でも思い出して驚くことがよくある。



──────そんな環境の中で暮らし続けて、高1の夏。



母親の連絡を受けることすら一切拒んでいた、三島潤一郎が、とつぜん家を訪ねてきた。


三島の正式な跡取りだったはずの息子の病気が発覚して、長期的な入院治療が必要だと……そう言って。



『光里君をぜひ、三島家の本当の息子として迎え入れたい』



……そんな言葉を

おれはどこか遠くで聞いていた。



おれは、三島潤一郎の本当の息子の……身代わり。


身代わりでも、それでも初めて自分の存在価値を見た気がした。



そして、手付金、約3千万を受け取った母親は喜んでおれを手放して。

おれは三島潤一郎の正式な息子になった

──────はずだった。