ぜんぜん足りない。




律希がマンションを出てあとは、律希と出会う前のわたしに戻ってしまった。

表面では明るく振る舞えても、いつだって、寂しいと苦しいが心を支配する。



根が明るいミヤちゃんがそばにいてくれたおかげで、人並みに楽しい高校生活は送れていたわけだけど、恋愛面はさっぱり。


かっこいいとは思っても、ドキドキにはたどり着かない。

少女漫画を読んでも、無理やりにでも律希と自分に重ねてしまう。



恋愛向いてないんだ〜って思った。

もう、諦めの寸前まできてたの。


そのタイミングで



『どーも。隣に越してきた郡です』


……って、学校で騒がれてるイケメン同級生が隣にやって来たわけです。