ぜんぜん足りない。



キーンコーン…とチャイムが終わりを告げる頃には、背中がゾクゾク。


やばい、ついに寒気がやってきた。



「桃ちん、教室もーどろっ」

「う、うん」


ミヤちゃんと廊下に出て、しばらく経ったとき、あることに気づいてわたしは足を止める。



「っあ!」

「どったの桃ちん」

「資料集忘れてきた……ごめん、取ってくるから先行ってて?」



謝って、来た廊下を引き返す。


先生が今日は資料集は使わないって言ったから、机の下に置いたんだった。


あ~バカ。忘れてたよ。
わたし、ぼうっとしすぎだ……。


しょんぼりした気持ちになって、生物室の扉に手を伸ばした──────直後、中に人がいるのが見えて固まってしまう。


ほぼ同時

その人と……こおり君と目が合った。