ぜんぜん足りない。




「バラしたら別れるって約束だったのちゃんと覚えてる?」

「……覚えてる、けど、」

「だったら、早く頷いてくんない?」

「こおり君……」



心が冷え切っていく。

もう何を言ってもだめなんだって、向けられた表情でわかるのに、まだ受け入れられなくて。


追い打ちをかけるように、深いため息が落とされた。



「まだ納得できないなら、これ見せようか?」



スマホの画面が向けられた。


グループチャットの画面。



【 国立桃音にキス 1万円 】

【 国立桃音に告白 追加で1万円 】



告白……。


「どう、読めた?」

「……、……うん」



どうしてか笑いが出た。

喉が引きつって、上手く声にならなかったけど。

そのあと、やっぱり


涙がでた。