ぜんぜん足りない。



「あれっ、国立さんもういいの? 頭痛いの治った?」


保健の先生が心配そうに声をかけてくれた。


「そっ、それが、もう頭が割れるんじゃないかってくらいひどくなってきて……。できれば早退させてもらいたいんですけど……」


仮病は良心が痛むけど仕方ない。

バレて怒られるかな?と思って一瞬ヒヤッとしたけど



「うん、それがいいかもね。風邪の前兆かもしれないし」



朝の出来事のせいで、意識しなくても “辛そうな顔 ” は出来上がってたらしい。

難関をあっさりクリアできて、複雑な気持ち。


そうと決まれば、1限目が始まる前に教室に戻って、荷物をまとめて帰るだけ。

みんなの視線が絶対痛いけど、そこは頑張って乗り切ろう……。