ぜんぜん足りない。



わけがわからなかった。

心臓が冷たい音を立てる。


頭が真っ白になったわたしは、呆然と律希を見つめて。



「──────なんで、」


声にならない声が出て、同時にぽろりと涙がこぼれた。

ハッとしたように律希が体を離す。



「桃音、ごめ───」


謝罪の言葉なんて聞いてられない。

背を向けてこおり君の部屋に走った。