「身長……何センチ?」

「………」

こおり君も、鏡の中のわたしを見てる。



「なんだっけ……。177……とかじゃない」

「嘘だ。もっとあるでしょ」

「ない」

「あるよ!」

「ハイハイ、うるせえなあ」

「だってわたしと並んでてこんなに高いのに。……おっきくて、かっこいいね」

「………」


それに対する返事はなく。
さっさとうがいをしてリビングの方に去っていってしまった。

あとを追って、ソファでスマホをいじり始めたこおり君にぴたっと体を寄せる。



「……暑」

「……離れてほしいの?」

「風呂、先に入りな」

「離れてほしいんだね」


視線だけをこちらに向けて、一瞥。


「めんどくさいオンナ」

「……だって、近くにいたいから……」

「じゃあ風呂いっしょに入る?」

「うん……。……っ、ええ!?」