一瞬、ビュウッと風が吹いた。


「寒くない?」


「大丈夫だよ」


心配してくれてるミナトに大丈夫と言って、もう一度夕日を見た。


さっき沈み始めたと思ったのに、もう半分以上沈んでしまっている。



海に写し出される夕日は元々キラキラと輝く海をオレンジ色に変えてさらにキラキラと輝かせている。




「ミナト…」


キラキラ輝く海、沈む夕日

その光景はすごく綺麗だと思うのに何だか怖くなる。



切なくて、悲しくなってくる。



泣きたくなってくる。




「このまま、遠くに行きたい…」




心から、そう思った。