「どう?凄い?」

「うん。凄い」

「ふふ、ありがと。でも結構苦労したんだよ?だけど早く完成させたくて」



得意気に話すわたしにミナトは優しい笑みを浮かべながら完成したパズルを指でなぞる。



「やっぱ綺麗だね、これ」

「うん。完成した瞬間美しくて見蕩れちゃったもん」

「はは、お疲れさま」

「本当だよ。だけどミナトが勧めてくれたし、絶対完成させたかったから頑張ったんだよ」



これを買った時に掛けた願い。


この難易度の高いパズルが完成する頃には、状況が変わっていて、何の不安もなくミナトと過ごせていますようにって。

実際に完成した今、状況はあの頃と何も変わっていなくて。それどころか時間がなくなっていき、焦り不安ばかりが頭を占めているけれど。これはもう、先取りと思うしかないだろう。

パズルを完成させた。だから必ず、わたしの願いが叶いますようにって。




「ねぇミナト?」

「うん?」

「今年のクリスマス一緒に過ごそうね」



まだ11月に入ったばかりだというのに少し早い気もするけど⋯。



「ミナトと一緒に過ごしたいんだ」



わたしの言葉に僅かに目を見開いた後、ゆっくりと頷き微笑んで見せたミナトは「必ず」って、そう言ってくれたんだ。