「ミナトは最初、緊張した?」

「最初って、カフェで話した時?」

「うん」



あの日わたしはすっごく緊張していた。

だって、校門で生徒手帳を届けてくれたミナトを一目見た瞬間からかっこいいなって、そう思っていたから。だからお茶に誘ったし、誘ったはいいものの迷惑だったらって不安でもあったし。



「そりゃあ緊張したよ」

「えっ、そうなの?」

「初対面で二人だったし、凄いお嬢様っぽかったし⋯まぁ、思い返してみればあの時とさくらは何も変わってないんだけど、最初は緊張してたよ」

「そうなんだ⋯」



あの時ミナトも緊張していたんだと思うと少し面白い。

お互い緊張していたのに、それからすぐに恋に落ちて、今こうして一緒にいるなんて。

あの時勇気を出してお茶に誘ってよかったと心から思う。


それからハンバーガーを食べ終えて、店を出た。