「良い思い出なんだろうな」
「…え?」
凛也さんがそんな事を言うなんて意外で、思わず凛也さんの顔を見つめてしまった。
「顔が笑っている」
「……え、っと…」
「何だ」
「……えっと、」
「言いたい事があるなら言え」
凛也さんがそんな事言うなんて意外でした。
なんて本人に言えるはずもなくわたしは「なんでもないです」とやり過ごした。
…なんだか今日の凛也さん、いつもと違う気がする。
いつもは怖いオーラを出しているのに、今日はそれがない。
何か良いことでもあったのかな?
チラッと隣を盗み見ると凛也さんはいつもの様に腕を組み、目を閉じてしまっている。
わたしの勘違いかもしれないけど、なんだか今日の凛也さんはいつもより居やすかった。