ミナトは何も言わない。


わたしの顔も見ない。


今何を考えてるのかも分からない。




少しずつ、雨が強くなっていく。





「…ミナト、あめ…」


「………」


「濡れちゃう…」


「………」


「帰ろう」



ミナトの手を引いた。



初めて握ったミナトの手は冷たかった───…。