(彼女の角さえなければ、男に見える格好だ。)

『へへ。似合う?お母さんに買って貰ったの』
『で、でも真矢ちゃん、スカートの方が好きだったよね?』
『シンヤ』
『え?』
『私は今日から真矢じゃなくてシンヤだよ。女の真矢じゃなくて将の友達のシンヤだよ!』

 彼女はパーカーのポケットから帽子を取り出し、それを被って長い髪を綺麗に収める。

(髪と帽子のおかげで角が見事に隠れて、俺の恐怖心が和らいだ。)