松菱くんのご執心

 登校すると、教室が人で賑わっていた。


人混みをかき分けて教室に入ると、爽の席に人だかりが出来ていた。



「コンタクトにしたの!? 似合ってるよ」


黄色い声が飛びかう。


「髪もいい感じじゃん」

「あの早瀬だよね」

「すっごいイケメンでびっくり」



そこで、思い出した。昨日のことを。


「『俺が証明してやるよ』」の意味を。



「みかさ! おはよう」爽が人混みから、わたしに向かって声をあげた。


「お、おはよう」


「どう似合ってる?」


「うん。随分イメージ変わったね。かっこよくなった」