松菱くんのご執心





 松菱くんはベットに横になり、その隣の円卓に戸黒さんと男の人とわたしの三人で囲んだ。



なんとも言い難い雰囲気だ。



こういう時って、わたしと松菱くんの二人になるのがセオリーで、



まさかのまさか、四者面談のような空気感になるとは思ってもみなかった。




「この人たちは俺の家族とかじゃないから」


松菱くんがぶっきらぼうに言った。


「おいおい、寂しいこと言うなよお」と男の人が嘆く。ますます怪しい。


そんなわたしの心を悟ったのか、松菱くんが二人を順に紹介してくれた。


「この人は、三木さんて言って、児童相談所の職員」顎で男の人を指す。


「どうも」と三木さんがへらっと笑った。



どうにも児童相談所の人には見えない。


失礼だが、パチンコや賭博が似合う、正規の道から外れた大人に見える。


雀荘に週五日ほどの頻度で通っていそうだ。



素性が分かったのに、全然掴めない人柄は、余計にわたしを混乱させる。



「そんで、こっちの人は戸黒さんで、家庭裁判所の調査官」


「はあ……」