「血は争えないんだろうか」
と松菱くんは情けない顔をする。
「本末転倒だよな。犯人見つける為に繁華街へ出たのに喧嘩することに夢中になるなんてさ」
「犯人は見つかったの?」
「いいや、見つからなかった」
「そっか……」
「幻滅しただろ。あいつが言ってた人殺しって言うのは半分当たってるんだよ。
親を見殺しにしたんだから………同罪だ」
そんなことないよ。
というのはあまりにも簡単で、なんの慰めにもならない。
それに、そう言ってしまえば、彼が今までしてきた苦悩や行いを無駄にしてしまいそうで、
それこそ彼を全否定してしまうみたいで言えなかった。



