成長と共に自分への憎悪も濃くなっていって、
どうしようもない嫌悪感に耐えられなくなった俺は………逃げたんだ。
幸いと言うべきか、犯人は指名手配犯として今も逃走中だ。それに俺は漬け込んだんだ。
卑怯で矮小な俺は、犯人を捕まえることで贖罪になると考えた。そう思わずにはいられなかった。
────愚かだろ?
俺が中学に入った頃、繁華街でその犯人の目撃情報があった。
それから俺は繁華街に通った。
あんな事件を起こしてまだのうのうと、この街にいるのかと憤怒する気持ちと、挽回のチャンスだとか思ってる自分がいた。
俺は繁華街でよからぬ事をしてる奴がいれば片っ端から殴りかかった。
目撃情報によれば、路地裏に入っていったらしかったから、まだろくでもないことをしてるんだと踏んだ。
踏んで、そう決めつけて……荒んでいった。
そのうちだんだん喧嘩することが目的みたいになっちまって……。



