松菱くんのご執心




 紙袋いっぱいに入ったお菓子やジュースを見るなり松菱くんはとても喜んだ。


クラスメイトからの差し入れだと告げれば、瞳を揺らし


「学校行ったらお礼言わねえと」


と眉を下げた。


 松菱くんは紙袋を受け取ろうとするが、さすがに肋骨が折れた怪我人に持たせるわけにはいかず。



 わたしは、見た目以上にずっしりとした重量感の袋を抱きしめる。



「わたしが部屋まで持って行くから」


「いや……うん、そうだな。ありがとう」


 やっぱり痛むのだろう。

ちょっと迷って松菱くんは返事した。



私たちは部屋へと移動し、早速お菓子を広げだした。