そして、案の定「折れている」と診断された松菱くんは、
バストバンドといった固定具を施され、医者からは今日は家でおとなしく安静にしているように言われた。
お医者さんの前でポロッと「まじかよ」と松菱くんの不意にでた本心のせいで、
診察が始まってから二回、三回と「安静に」としつこく繰り返されたらしかった。
詳しい検査は今日の午前中に済ませたと、それもメールで逐一連絡が来ていた。
不幸中の幸で、臓器には損傷がなく大事には至らなかった。
これにはわたしもほっと心をなでおろし、もし内蔵や肺に損傷があれば、
こんな風にメールでのやり取りさえも、それどころか命の危険もあっただろうと思うと、肝を冷やした。



