松菱くんのご執心



 全てが丸く収まったという空気が流れていたが「お前」と、爽が口を開いた。



「こんな危ないことに巻き込んで、許されると思ってんのか」冷たく言い放った。



また、誤解される。


それは嫌だ。



 こういう時、松菱くんはちょっとだけ諦めたような顔をするのだ。

だから、わたしがしっかりと否定しなければいけない。彼が悪者にならないように。




「わたしが勝手にここに来たんだよ」


「そんなの分かってる!」


爽が大きな声で言った。

怒ったような、それでいて泣きそうな顔をしていた。
やり場の無い感情が、爽の心の中から顔をだしているみたいに、顔を歪ませている。


 分かってて爽は言ってるの?


「じゃあなんで……」

「みかさを俺から奪ったんだから、これくらいの罵倒はいいだろ。
最後にするから……もう構わないから」