「子供はあんたで十分なのよ。…それにこれ以上つらい思いしたくないし」
それはお母さんの本心だろう。
如月くんはひどく戸惑い、動揺しながらもお母さんに質問をぶつけた。
「僕で充分って…じゃあなんで父さんが亡くなってすぐ結婚したんだよ!」
声は震えていて今にも泣いてしまいそうだった。
そんな如月くんを見たお母さんはハッとなって、唇を噛んだ。
しばらくの間は黙って何かを躊躇っているみたいだったが、何度か如月くんを見た後、ついに爆発した。
「仕方ないでしょ!!私はね、あの人との結婚を反対されてたの。それで今の夫だった奴と結婚しろってずっと言われてたの!」
それは何かが切れたみたいだった。
まるで長年の鬱憤を晴らすかのように。
そんなように言い放った。



