玄関にはハイヒールがあり、如月くんと顔を見合わせた。
まさか!そう思って2人でリビングに行くと、トランクの中身が床中に広げられ、如月くんのお母さんはソファーでくつろいでいた。
「なんでお前が…!!」
「夫と別れたのよ。あいつ、浮気したから。今日からここに住むから出ていきなさい」
「お前になんの権限があるんだよ!?」
如月くんは殺意が溢れたオーラを醸し出しながら、拳に力を入れていた。
「知らないの?この家の所有者は私だから」
「……っ、でもお前には子供がいるだろ!」
「いないわよ。何を勘違いしてるかしらないけど、あいつとの間に子供はつくってないから」
「え……?」
如月くんは驚いて硬直してしまった。



