如月くんは私をひとりじめしたい



翌朝は快晴だった。


「おはよう、小春ちゃん」

「おはよう」


わざわざ如月くんが私の家まで迎えに来てくれた。

お父さんが忘れ物をしたのかと思ったお母さんが玄関に出たから、お母さん驚いちゃって悲鳴あげてたな。

お陰で近所の人に心配されるし、お母さんはこんなイケメンだと思わなかったって連呼してうるさいし。


「ごめんね、うちのお母さんが」

「いいよ。すごく綺麗なお母さんだったね。小春ちゃんはお母さんに似たから綺麗なのかな。いやきっとお父さんも素敵な方だと思うからお父さん似もあるかも。とにかく小春ちゃんをこの世に産んでくれた方だからね、感謝しかないよ」

「あ、ありがとう」


そんな大袈裟なこと言わなくても。

話しているとあっという間に如月くんの家に着いてしまった。

いつ見ても大きな家だな。


「さ、入って」

「お邪魔します」