私が言ってることは無神経で、如月くんを傷つけることなのかもしれないのだから。
如月くんの辛さは私には分からない。
友達はいなかったけど、お父さんとお母さんに支えられて、それなりに幸せに生きてきたから。
でも、如月くんが素で生活するためにはちゃんと現実と向き合うことも大切だと思う。
私は如月くんに嫌われてもいい。確かに嫌われることは怖いけど、如月くんのためになるならそれでいい。
「分かんないよ。分かるわけないじゃん。だって私は如月くんじゃないもん。でもね、如月くんが不安とか恐怖とか孤独とかで震えてるのは見たくないの。だから嫌われることも承知で言ってるの。現実を見て欲しくて言ってるの。たとえそれが辛い現実だったとしても私は如月くんのそばにずっといるから」
『……………………。僕、小春ちゃんのそういうところ大好きだよ。…僕も一度あいつときちんと話したかったし、怖いけど、小春ちゃんがいるから』
「ありがとう。ごめんね」
『うん。また明日』
電話が切れると、窓の外を見上げた
今日は星空が綺麗だった。
明日、ちゃんと如月くんが自分の思いを伝えられますように。
そう願って布団に入った。



