「何をそのうち話すの?」
「如月くん…」
「別に」
東雲くんはそれだけ言って、教室に戻ってしまった。
さすがに東雲くんが心配になった。
あの怯え方はおかしいと思う。
「如月くん……」
「ん?」
「……ちょっと、東雲くんと話したいからついてこないで!!」
如月くんにくるりと背を向けて、走る。
きっと如月くんはポカンとしてる。
「こ、小春ちゃん!?」
後ろから、元気のない如月くんの声とそれをなだめる有村さんの声が聞こえる。
私は後ろは決して向かず、教室へ戻った。
「東雲くん」
「安藤さん…如月は?」
「置いてきた!だって、東雲くんが心配だし…如月くんが何かしたの?私が怒るから話してよ」
東雲くんは一瞬躊躇して、はぁと溜め息を漏らしてからゆっくり口を開けた。
「………好きな人がいるんだ。だから、如月はそれを妨害してきて…」
「え…と」
「分かるよね?僕の好きな人は安藤さんなんだよ」
え、私?



