「ねえ、如月くん。別れないよね?」
「なんでそうなるの?僕は小春ちゃんと別れるつもりはさらさらないよ!!」
「え?そうだったの?今の流れから別れるのかと…」
「いや、今の流れからは復縁するのがオチだよね!?」
と切れのいい突っ込みが飛んで来た。
あ、いつもの如月くんだ。
あれ?いつもの如月くんなのか?
どの如月くんが如月くんなのか分からなくなってきた。
「そうなのか。それなら、これからもよろしくね。如月くん」
「うん!」
如月くんは少年のように笑った。
その笑顔久しぶりだな。
「小春ちゃん。ごめんね」
「ん?」
「色々勘違いさせちゃったみたいで」
「大丈夫だよ。もっと如月くんのこと好きになれたしね!私こそごめんね」
「~~!…うん」
ぎゅっと如月くんに抱きしめられた。
その温もりはいつぶりか、とてもあたたかくて心地よかった。
そう思うとぽろぽろと涙が溢れた。
「え?」
「久しぶりだよね…こうやってぎゅっとしてもらえるの」
「…そうだね」
ごめんね、と如月くんは静かに囁いた。



