それから如月くんと話さない日々が続いた。
校内で会っても、前みたいに他人のフリ。
笹山くんと話すときに如月くんが来たら、そりゃあ多少は会話するけど、間接的にしか関わりを持たないようにしていた。
でも、悲しくて悲しくて、どうしようも出来なかった。
「ちょっと、安藤さん。最近おかしくない?」
「え?」
「ぼーっとしてるっていうか、心ここにあらずっていうか…」
「そんなことないよ」
有村さんに心配されちゃった。
「そんなことあるんだよ」
後ろを歩いていた東雲くんにも心配されて。
「それに如月とも話さなくなったじゃん」
「え?もしかして、如月と何かあったの?」
私はとうとう悲しい気持ちが抑えきれなくなって、有村さんに抱き付いた。
「うっ……っ、ううっ……」
「ちょっ!?安藤さん!?」
「如月くんに……愛想つかれちゃった」
「は!?」
「如月くんは私といると辛いって……やっぱり私なんかが如月くんのこと、好きになるのダメだったんだね……」
有村さんは何も言わず、ただ背中をさすってくれた。



