如月くんは私をひとりじめしたい


いきなり、片手で私の両手首をがっしり掴まれた。

緩くなったネクタイを完全に外すと、手首に巻き付ける。

な、何をしてるの?

がっちりとほどけないように手首を縛られてしまった。

これがいわゆる拘束なんだね…。

確かにこれされたカノジョさんたちの気持ちが分かるよ。

すっごく怖いもん。


「愛してるよ…?」

「……ふ、っ…っっ……」


キスも強引で手荒なのにどこかいつもの優しさがある。

如月くんはやっぱり優しいんだよ。

止まらない涙を如月くんは舐めた。

背筋がゾクッとして、何とも言えない気分になる。

どうしよう、なんか変…。


「小春ちゃん?」

「私も好きだよ。だから不安にならないで」

「…なるよ。小春ちゃんが完全に僕のものになるまではね」

「どうしたら不安にならないの?」

「僕の誕生日に小春ちゃんを監禁したいって言ったらダメでしょ?だから無理なんだよ」

「いいよ。私、如月くんに監禁される」

「……は?」