如月くんは私をひとりじめしたい


私はこそっとついていくことにした。

有村さんには止められたけど、ちょっと気になったし。

東雲くんが向かったのはもう使われていない教室で薄暗かった。


「来るのが遅いよ?あのさぁ、小春ちゃんに近付くのやめてくんないって忠告したよね?」

「それは無理だ。お願いだから安藤さんを解放してやってくれ」

「は?解放?僕は別に束縛してないじゃん。小春ちゃんを失ったら僕は…」

「もう依存してるだろ。だから止めろ。お前のためにも言ってるんだ」

「とか言って、小春ちゃんをモノにするつもりなんでしょ?見え見えなんだよ。お前の考えなんて」

「…しないよ。安藤さんには気持ちを伝えない」


そこには如月くんがいて、東雲くんと怖い顔で話していた。

一体、2人ともなんの話をしてるの?


「いい加減、小春ちゃんにばらすよ?」

「それはダメだって……」

「僕はさぁ、愛したいんだよ。お前とは違うんだよ。だから……引っ込んでろ」

「……っ」


東雲くんはうつむいて入り口に来た。

やばい、隠れなきゃ!