「ねえ、東雲くん。男子って何が欲しいのかな?」

「人によって違うと思うけど…もしかして如月にあげるの?」

「うん」

「そうなんだ。あいつなら安藤さんから何もらっても喜びそうだけど」


確かにそうかもしれないけど、私は本当に喜んでほしいんだよね。

そりゃ私だって如月くんに何かもらったらすっごく嬉しいけど、今回の誕生日は違う。

如月くんに人に愛されるってことを分かって欲しいんだ。


「それに…やっぱなんでもない」


東雲くんは何かを言いかけて、立ち止まった。

そのあと、少し暗い顔をしてから私の方を向いた。


「ちょっと、用事思い出したから先行ってて」

「うん…」


いきなりどうしたんだろう。

私はそれ以上詮索はせず、教室に戻った。

男子って何もらったら喜ぶか有村さんにも聞いてみようかな。

なんか勝手なイメージだけど、恋愛経験豊富そうだし。