「ねえ、私をあげるってどういうこと?詳しく教えて?」

「それはね……」


山井さんがそう言いかけた時、


「安藤さん」


山井さんの言葉を遮るように、聞き慣れている声がした。

後ろを見ると、東雲くんがいた。


「あれ?どうしたの?」

「どうしたのって…安藤さんが購買に行ってから全然戻ってこないし心配で探してたんだけど?」

「あ…」


そうだ私、購買に飲み物買いに行こうとしたんだった。

完全に忘れて山井さんと話してたよ。


「有村さんも心配してるし、戻らないと」

「うん…山井さんありがとう」

「別に」