となりの一条三兄弟!



それから匠さんの提案で、私はそのまま一条家で晩ごはんを食べていくことになった。

……と、言っても料理を作るのはもちろん昴さんだ。

匠さんも各地を飛び回ってるし、自炊はある程度できるらしいけど、作る料理が得たいの知らないものばかりだと、三人がひどく拒絶していた。


「ねえ、茉莉ちゃんは彼氏とかいるのー?」

匠さんはテーブルに並べられた料理をポロポロと口から溢している。

そのたびに三兄弟に注意されていて、どっちが子どもなのか分からなくなってきた。


「彼氏は……いたことないです」

「ええ!?なんで!可愛いのに勿体ないなあ」

この褒め上手なところは昴さんと同じだ。


「俺と結婚する?」

「ゲホッ……ゲホッ……け、結婚!?」

思わず料理を喉に詰まらせるところだった。


「まりりんはいずれ俺のお嫁さんになるんだからやめてよ」

晶くんまでなにを言ってるの?


「父さんと晶と一緒になるぐらいなら、俺が一番茉莉ちゃんを幸せにできると思う」

す、昴さんまで?


「バカじゃねーの」

そして聖は冷静に呆れた顔をしてるだけ。

そのあともなんだかよく分からない口論が続いていたけど、リビングは騒がしくて一気に楽しい雰囲気に包まれていた。