一体、なにがどうなってるの?

窃盗?強盗?ストーカー?

一条三兄弟のファンはたくさんいるけど、そんな物騒なことはさすがにされないだろうし、第一おかしな人に出くわしても、三人なら余裕で倒せるはず。

ゴクリと緊迫した空気に息を飲んで、ふと、目線を横にずらすと……目の前に見知らぬ人の顔があった。


「きゃあああっ……!!」

私は思わず絶叫する。

だって、だって……まるでホラー映画のように生首だけが宙に浮いてるんだもん……っ!

私は抱きつかれている晶くんのことを、逆に盾のように絞め続けていた。


「ま、まりりん……嬉しいけど死んじゃうっ……」

そんな晶くんのことなんて気にならないくらい、目の前の恐怖のほうが衝撃的すぎる。

すると生首だった人がみるみる形を現して、最後に黒いハットを被って、ニコリと私に笑いかけてきた。


「初めまして。いつも息子たちがお世話になってます」


頭がフリーズしている。

えっと、えっと……息子、たち?

確認しようと三人の顔を見ると同じ顔でイヤそうにしていたけど誰も否定しない。