「たしかに俺も晶も友達や知り合いは多く作るほうだけど、それでも言えないことのほうが多いし、誤魔化してる部分もたくさんある」
「………」
「だから本当のことを知っている茉莉ちゃんには気がゆるむんだよ」
それが本当だったら嬉しいけど……けど。
「でも、聖は全然私のことなんて知らん顔ですよ」
ちょっと心を開いてくれたかなって思うとまた遠ざかって、なにを考えてるかちっとも分からない。
「聖は人と関わらないことが正しいと思ってるからね」
「どういう意味ですか?」
すると昴さんは少し言いづらそうな顔をした。
「ああ見えて三兄弟の中で一番人間じゃない血が濃いのは聖なんだ。だからちょっとしたことや感情の起伏で狼になりかねない」
初めて聞いた事実。
私はまだ聖を狼男と認識してないところがある。それはそんな素振りも狼男になった姿も見たことがないからだ。
「聖は怖いんだよ、狼になってしまうことが」
ドクンッと心臓が跳ねたのは、いつもクールで冷静沈着な聖にそんな弱さがあると知ったから。
昴さんはそれ以上詳しく話してはくれなかった。
「知りたかったら聖に聞くといいよ」なんて言ってけど、聖が私なんかに教えてくれるはずがない。



