用具室は窓が小さいから日中でも薄暗くて、マットやボールの独特の匂いがする。
棚に置かれていたカゴから赤色のゼッケンを取って振り返ると、そこには人影があった。
「ひぃぃ……っ」
本気でおばけかと思って仰け反ると、その反動で足をグキッとやってしまった。
「ま、茉莉ちゃん大丈夫?」
肩を支えられた私はやっとそれが昴さんだったことに気づいた。
「ごめん!脅かすつもりはなかったんだ。俺もボールを片付けに来ただけで……」
「そうなんですか。痛っ……」
右足は動かすだけで、痛みが走る。
本当に私のバカ。一体なにをしてるんだろう。
「試合はムリだから、とりあえず保健室に行こう」
昴さんが私の手を掴んだ。
「で、でも……」
「先生にはあとで俺から言っておくから!早く冷やさないとどんどん腫れてきちゃうよ」
たしかに右足の感覚が鈍くなってきた。
「早く俺の肩に掴まって」
「はい。すみません……」
そして私は保健室へと連れていってもらった。



