思えば私の人生は平凡そのもの。目立つことも、注目されたこともないし、いつも大勢の中のひとりだ。
だけど隣に一条三兄弟が引っ越してきて秘密を知って。こんなに日常が騒がしいのは生まれて初めてかもしれない。
それから準備運動をして、バスケの練習試合がはじまった。
男女別に分かれて最初は3年と2年の男子の勝負。
「負けないよ、聖」
青のゼッケンをつけた昴さんがわざと挑発するような言い方をする。
「たかが体育だし、熱くなるなんて体力の無駄」
聖はやる気なしという感じで、周りの士気を下げるくらいに冷めていた。
「じゃあ、負けたら今日からの炊事は全部聖がやってね」
「はあ?なんで?」
「たかが体育でも勝負は勝負。まさか負けるのが怖いなんてことは……ないよね?」
メガネの下の昴さんは、かなり悪い顔をしていた。
そんなことを言われたら聖も〝やらない〟とは言えずに、不機嫌そうにコートの中へと入る。



