「わー、まりりん、ごめんね!なんか俺のせいで勘違いさせちゃって」
透明化を解いた晶くんは私に飛び付いてきた。謝罪を表すように頬をスリスリとしてきて、私はさらに混乱する。
「ま、待って。なんで晶くんが女の子の格好をしてるの?」
実はそういう趣味があったとか?
でも今までそんな素振りなんて……。
「違うよ!実は男の娘っていう雑誌の特集に載ってほしいって声かけられちゃってさ」
たしかに、たまにテレビとかで女の子みたいな男の子が話題になってたりするのを見たことがある。
晶くんが女の子だったら可愛いだろうなと思ったいたこともあったけど、まさか聖の隣にいた子が晶くんだと考えるはずもない。
「今日は撮影のバイトの日だったんだ。でね、たまたま聖にいに会ってナンパ避けをしてもらってたんだ」
「……ナンパ避け」
「だって、この格好で歩いてるだけで、ものすっごく声かけるんだもん!」
なるほど。なんか色々なことが腑に落ちた。
詳しく聞くと、晶くんのバイトは今回だけらしく、その代わりかなりの報酬をもらったんだとか。



