「なに笑ってんだよ」
「だって……」
次にふて腐れてしまったのは、聖のほう。
少しは私のこと特別に思ってくれてるのかな。怒られると分かっていても、顔がゆるんでしまう。
「でも、さっきの女の子は……」
ただの友達だとしても、家に連れてくるなんて、よっぽどの関係だ。
「あのさ、すげえ勘違いしてるみたいだけど、さっきの女の顔見なかったの?」
「え?」
顔なんて見てない。というか、焼きもちで見てる場合じゃなかった。
「じゃあ、本人に聞けば」
「本人って……」
「いるんだろ。匂いでバレてるぞ」
聖はそう言って、私の部屋の隅に目を向けた。
そこから徐々に姿が現れていく。申し訳なさそうな顔をして立っていたのは、先ほどの女の子。いや、よく顔を見てみると……。
「え、あ、晶くん!?」
ほんのりと化粧をしてるから女の子に見えるけど、間違いなく晶くんだ。



