「は?デートなんてしてねーから」
「じゃあ、あの女の子とはどういう関係なの?」
「お前、なに言ってんの?」
「そっちこそ、とぼけないでよ」
私は嫉妬してる顔を見られたくなくて、また聖に背を向けた。
「おい、こっち見ろ」
「イヤ」
「見ろ」
「イヤだ」
そんな押し問答を繰り返していると、聖が呆れたように私の顔を両手で挟んで、無理やりに振り向かせられてしまった。
彼の手は私の顔なんてすっぽりと覆ってしまうほど大きかった。
「見ろって言ってんじゃん」
聖と目が合って、やっぱり想いは増えていく。
「……私、焼きもち妬いてるの」
いつもなら誤魔化してしまうけれど、今日は素直に伝えた。景ちゃんの言うとおり、私は聖からの反応をずっと待っていただけ。
「そんなの、俺だってしてるから」
「なんで?」
「だって、お前、色んなやつに触られまくってんじゃん」
聖が不機嫌そうな顔をしていた。
たしかに外国人並みのスキンシップをされることは多いけど、聖は呆れた顔をしてるだけで、嫉妬なんてしてくれていないと思っていた。
これは……予想外に嬉しいパターンだ。



