それからどのくらい時間が経ったのか分からない。
「……ん……」
ゆっくりと目を開けると、そこは見知らぬ場所だった。
目の前には大きな鳥居があって、周りは深い森に覆われている。
さらに、私の腕は後ろにある拝殿の柱に縛られていて、自由に体を動かすことができなかった。
「やっと目を覚ましたか」
石段を上がってくる音がしたあと、霧島くんは私の前で足を止めた。
「ここはどこなの……!?」
いつの間にか時間は夜になっていて、空には満月が浮かんでいる。
森の中だからか、空気がやけにひんやりとしていて、風でざわめいている木々も生き物みたいで不気味だった。
「ここはうちの一族が代々受け継いできた名のある神社だ。まあ、今は見てのとおり機能してないけどな」
たしかに神社はかなり古くなっていて、人の出入りがまったくないことが分かる。
「私をこんなところに連れてきてどうするつもりなの?」
「さあな。これから考える」
霧島くんは憎たらしいほど冷めていた。さっきまで一条家で暴れていたとは思えないほどだ。



