カーカーと大きな声で鳴きながら、黒い羽がリビングの床に落ちていく。
「……っ」
いつの間にか昴さんは吸血鬼に変異していて、瞳が燃えるような緋色になっていた。
鋭い爪でカラスたちを叩き落としながらも数では圧倒的に不利。昴さんに隙ができるとカラスが体を突っついて、その箇所からは血が滲んでいた。
「……昴さんっ!」
私が叫ぶとすぐに「来ちゃダメだ!」と苦しそうな昴さんの声が飛んでくる。
「茉莉ちゃんがケガをしたら大変だからね」
カラスたちに攻撃されているのに、私を安心させようと優しく笑っていた。
自分がボロボロのくせに、なに言ってんの……。
「それと聖も来たらダメだよ。茉莉ちゃんを守るためにも絶対に茉莉ちゃんの傍を離れるな」
「……兄貴」
聖が手助けしたい気持ちをグッと拳で表現した。
「まだそんなに喋る余裕があるなんて。透明人間より吸血鬼のほうが丈夫みたいだな」
ハッと気づくと霧島くんはカラスたちに交ざって昴さんの元へと近づいていた。そして……。
「お前も邪魔だから、さっさと消えろ」
ゾクッとするような目つきだった。
晶くんの時と同じような光景に私は「やめてっ!」と声をあげる。
だけど再びリビングに怪しげな光が放たれると、昴さんは意識を失うようにバタンとその場に倒れた。
「……す、昴さんっ!!」
晶くんと同じだ。体温もあるし息もしてるのに、ぐったりとして動かない。
うそ、昴さんまで……っ。



