その日の夜。今日は星空が綺麗に見える日だとテレビのニュースで言っていた。

そんな情報を頭の片隅に残しつつ、私は自分の部屋へと向かう。

そういえば明日提出する課題があったな……なんて、カバンを漁っているとコンッ!と窓際から軽い音が聞こえた。

この前、怖いことがあったばかりだし過敏に反応してしまったけど、こうして石を投げてくる出来事には心当たりがある。

私はゆっくりと窓に近づいて、白いカーテンを開けた。


「よう」

そこには、向かいのベランダに立っている聖がいた。

どうやら聖もお風呂上がりのようで、少しだけまだ髪の毛が濡れている。


「どうしたの?」

聖がこうしてベランダ越しから話しかけてくれたのは初めてのこと。

私もベランダに立ってみたけど、なんだか面と向かうことに慣れてないから緊張してきた。